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鎌田大地が所属!セリエA「ラツィオ」チーム紹介

 

s.s Lazio

 

 永遠の都ローマ。イタリアの首都であり、ヨーロッパ有数の都市。その影響力はサッカー界でも、同様であり、その名前を冠する「A.S. Roma」は中田英寿永久欠番10番トッティが一時代を築いた。ただ、ローマを本拠地とするクラブは「ローマ」だけではない。それが、ローマを州都とするラツィオ州の名を冠する「SSラツィオ」である。最近、日本代表MF鎌田大地が加入したことでも話題となったこのクラブを紹介する。

セリエAがサッカー界を席捲し、築いた黄金期は過去のものであり、長い低迷期を迎えていた。ところが、近年セリエA復権の兆しがある。ユベントス一強の時代が終わり、ナポリを筆頭にACミランインテルセリエAだけでなく、チャンピオンズリーグでも結果を残した。そんな中、ラツィオヨーロッパリーグでは早々に敗退したもののセリエAでは、ミラノ勢を抑えナポリに次ぐ2位に入っている。

特徴

ラツィオの特徴はなんと言っても、そのパスサッカーだろう。レイオフ(縦パスを受けた選手がワンタッチで他の選手に落とす行為)を多用する縦にも早いスタイルのパスサッカーは効果的であるだけでなく、見ていて非常に楽しいものである。このスタイルはラツィオの現監督マウリツィオ・サッリの特徴であり、しばしば「サッリボール」と呼ばれている。

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一時期は監督との確執を報じられながらも、見事にマッチした10番「ルイス・アルベルト」、エース「チーロ・インモービレ」、ウィング「マッティア・ザッカ―ニ」監督と選手を詳しくフォーカスしていく。

監督・マウリツィオ・サッリ

Sky Sports

 現監督のマウリツィオ・サッリはラツィオの監督に就任するまで、「ユベントス」「チェルシー」「ナポリ」とビッグクラブを渡り歩いてきた。ユベントスセリエA優勝、チェルシーで18/19シーズン、ヨーロッパリーグ優勝。中でも2015年から2018年まで率いていたナポリは、「欧州で最も美しいサッカー」と評されるほどの完成度を誇っていた。インシーニェ、メルテンスカジェホンのスリートップ。ハムシクジョルジーニョ、アランのスリーセンターによるテンポの良いパスサッカーと高い得点力による破壊力は世界中の人々を魅了した。しかし最もセリエA優勝に近づいたシーズンでさえ、惜しくもユベントスに競り負け、タイトルを獲得するには至らなかった。

Schlägt Neapels Super-Offensive auch gegen Florenz zu? | Goal.com  Deutschland

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そんな、マウリツィオ・サッリだが、ラツィオではナポリ時代も愛用していた[4-3-3]を使用している。昨シーズンは、前線に左から順に、ザッカーニ、インモービレ、フェリペ・アンデルソン。中盤には、ルイス・アルベルト、カタルディ、セルゲイ・ミリンコビッチサビッチ。最終ラインは、ヒサイ、ロマニョーリ、カザーレ、マルシッチ。キーパーにプロベデルという並びだった。

今シーズンはセルゲイ・ミリンコビッチサビッチがサウジアラビアリーグに移籍したことによってできた穴に鎌田大地やマッテオ・ゲンドゥージを補強する形になった。

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昨シーズン、チーム3位である9得点、高い身長を生かしたターゲットとしての役割、高い足元の技術。セルゲイ・ミリンコビッチサビッチがチームにもたらしていた影響の高さ故に、鎌田に対する期待は高いものだろう。現時点では、1ゴール、1アシスト今後も活躍が期待される。

前述したように、サッリの戦術では、レイオフを多用し縦にも早いサッカーを展開する。選手のほとんどはワンタッチやツータッチなどの少ないタッチ数でボールを回し、テンポのいいボール保持をする。サッリ自身も、SKYSPORTSのインタビューで自身のスタイルについて聞かれた際「早いスピードのボールで行うボールポゼッション」と回答している。   

チェルシー監督時代にアシスタントコーチを務めたジャン・フランコ・ゾラ(元イタリア代表フォワード)は、インタビューでサッリのサッカー「オーケストラ」に例えている。誰もが自分の役割があり、全員がその役割を全うして初めて機能するという。それぞれのポジションに明確な役割があり、少ないタッチ数という制約もある。

つまるところ、見る分には非常に面白いが、選手としては適応する難易度が高い。鎌田選手の適応にも長い目で見ていく必要があるかもしれない。

 

選手

ルイス・アルベルト

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 このチームの王様と言ったらこの選手だろう。左インサイドハーフを主戦場し、その位置から精度の高い長短のパスを供給する。「ザッカ―ニ」「インモービレ」への精度の高いスルーパスによって、多くのチャンスを演出している。また、パスだけでなく高精度のミドルシュートも魅力的である。所謂、左45度と呼ばれるような、ペナルティエリアの左角あたりからのシュートも得意である。この選手の活躍がセリエAでも、チャンピオンズリーグでも重要になるだろう。

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チーロ・インモービレ 

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 言わずと知れたエース「インモービレ」。セリエAでは、4度の得点王を獲得しているこの選手はラツィオの攻撃を長い間けん引してきた。昨シーズンも、セリエAではチームトップとなる12ゴールを挙げている。高い決定力を武器にボックス内で結果を出してきたエースだが、今シーズンは怪我の影響もあり、ここまで9試合で2ゴールと思ったような結果を残せていない。33歳という年齢、そしてサウジアラビアリーグへの移籍の噂、ラツィオでの残された時間は少なくなってきている。だからこそ、要注目だ。

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マッティア・ザッカーニ 

Lega Serie A

 昨シーズン、最も活躍した選手と言えば、この選手があげられるだろう。リーグ戦チーム2位の10ゴールを記録した高い決定力。チーム最多のドリブル成功数を記録し、左サイドからのドリブルによる打開はチームに新たなオプションをもたらした。ゴール前に切り込んでからのゴール右下、隅への巻いたシュートが特徴的であり、今シーズンも期待できるだろう。

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最後に

 現在、鎌田は移籍したものの思うように出場時間を得られていない。ただ、前述したように、ラツィオは適応に時間のかかるチームであり、現状はある意味当たり前のことでもあるように思える。早急な活躍や結果を求めるのではなく、チームの魅力的な面に目を向けて気長に待ってみてはどうだろう。